セキュリティ系エンジニア。IT技術について書いているふりをしています。
by neo_logic
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【書評】 塗仏の宴 講談社(1998)
京極夏彦の小説を薦めると、いつも
「長い」とか「冗長」とか言われる。
否定はしないが、面白いだけいいと思うんだがな。

まあ、そんなわけで読了したのだが、確かに長かった。
休日に小説を読まないのでどうしても時間がかかる。
「山猫の夏」や「果てしない物語」を一日で読了した日々は
もう遠く過ぎ去ってしまったんだなあと思ってしまう。

しかし、やっぱりこいつは面白かった。
たしかに薀蓄を入れると小説というのは長くなるが、
それを冗長とまで言うのは少し短絡的だ。
構成さえしっかりしていれば、小説と言う媒体に
無駄というものを入れる余地はそんなに無いと思う。

以下ネタばれ。いいか、こんな古い小説でそんなこと言わなくても。

ものすごい人数と組織がごったがえす話である。
まさしく文中にあるとおり百鬼夜行だ。

そしてこの話は京極堂もさることながら、やはり木場と榎木津である。
この二人が最高にいい。鮮やかな色彩を放つ脇役である。

ばかりか、今回、相手方が笑える。
韓流、藍童子、何仙姑、このあたりで面白い洒落だなあと思ったら、
これが思いっきり本筋。まさかそれで突き進むとは思わなかった。
勘のいいと言うか、中国映画を見まくっている人なら一発でわかる冗談だ。
これが実は全部つながっていたという大技荒業で、結末は大爆笑である。
なんとなくゴジラの怪獣総進撃を思い出した。

京極の小説は、古文漢文民俗歴史哲学心理あたりへの興味と
昭和の流行に関するイメージが無いと
面白さが半減する。といっても作品自体がいい出来なんで、
この小説からそういう世界へ入っていくのも手だ。
私の場合は両面からだったわけだが。

京極は昭和34年生まれだから、「酔拳」も「ゴジラ」も直撃世代だ。
影響うけてんだろうなあ。まるでその影も残ってないが。
となるとこの人、ある意味非常に荒木飛呂彦に似てるのかもしれん。
パロディの宝庫なのに、どうみてもオリジナルというところで。

誰にでも薦めらるとは言わんが、迷っている人には薦められる。
特に30代の方には、思わずにやりとするところがあるんじゃないだろか。
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by neo_logic | 2006-10-05 22:16 | メディア評
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