セキュリティ系エンジニア。IT技術について書いているふりをしています。
by neo_logic
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【映画評】 ハプニング/2008年米
秀作。

内容は典型的なパニックもの。
ある日奇病が発生して人が次々死んでいく。原因不明。
家族を守れ。という、これ以上ないほど典型的なハリウッド。

しかし演出がいい。
ともかく演出がいい。
この監督、とにかく演出がうまい。
映画は演出だZE、と言わんばかりの作りこみ方をしている。

たとえばカメラワーク。
人がビルから飛び降りるのをどう撮影しますか。

引いてビル全体を映すか、飛び降りる本人の目線か。
今まで私が見てきたのはこの二つです。

「ハプニング」では二種類の撮影方法でした。
どちらも、落っこちてくる先の路上にいる人の目線でした。

一つは、ビルを見上げたら、落下した人が迫ってくるというもの。
今一つは、路上を見たら落ちて来た人が跳ねているというもの。

この手法は、遠景や本人視点よりもはるかに臨場感がありました。

遠景だと、衝撃映像と同じです。他人の話です。
落ちる本人目線だと、落ちる人への感情移入が要求されます。
ビルから落ちようと思った人が何人いるでしょうか。

しかしながら、ビルを見上げた人はいくらでもいるわけです。
下を歩いたことがあるだけの人はいくらでもいるのです。

この、普通の人の目線で街を映しておきながら、突如唐突な事態が起こる。
こういう感覚を視聴者に与えるのは演出の手腕なのです。

ハプニングは、徹底して「事件の渦中にある当事者の視点」から
「異常事態」を映しこんだ作品なのです。

奇怪な怪物にスポットを当てたり、
死ぬ直前の人をえんえんドアップに映しこむことはありません。

まずは事件の渦中にある主人公ありきなのです。
「主人公の目から見た事件」が重要であり、
スプラッタをどう派手に見せるか、役者にどう怖がる演技をしてもらうか、
ではありません。

「ハプニング」のシナリオは極めて凡百ですが、
この品質の高い凝った演出が、作品全体の評価を凡百にしていないのです。

パニック映画監督は、この作品を三回見てからコンテを切れ。


あ、ちなみに同日にポニョ見てきました。
駄作です。ハプニングを見ましょう。

総点:82点
脚本:平凡
役者:上の中
演出:最高レベル
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by neo_logic | 2008-08-03 22:50 | メディア評
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