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【世界の武術】 第4回 空手(その他)
およそ空手ほど、世界中に普及していながら、統一性のない武道も無いでしょう。
流派ごとに得意技が違うのはよくある話ですが、
競技ルールが、ここまで多様な武道は他に例がありません。

今回は、伝統派とフルコンタクト以外で、
かつ比較的普及している空手を見てみましょう。



【防具付空手】

防具付き空手のルールは、防具をつけた伝統派空手と考えればいいでしょう。
ですが、最大の違いは、防具をつけているので、全力で殴れるところです。

このため、伝統派のように軽い当て方だと、ポイントを取らないのが普通です。
むしろ、相当の強打でも、綺麗に入っていないと続行になります。

防具付空手の選手は、重い打撃を速く当てるよう鍛錬しています。
伝統派空手の選手よりも、一撃の威力は勝っているでしょう。

その一方、防具をつけることで、打撃に対する抵抗力や防御技術が養えない、
という問題点もあります。

硬式空手というのは防具付空手の一派で、ほぼ同じルールで試合をします。
見た目が似ていますが、日本拳法はまったく別の武道です。

防具付空手




【上地流空手】

上地流は伝統派空手ですが、極めて特徴的な空手なので、
あえてここで取り上げます。

上地流は流派の試合も開いていますが、それ以上に特徴的なのが部位鍛錬です。
手足の指先を徹底して鍛え、また、全身をぶん殴り、蹴っ飛ばして鍛えると言う、
古式の稽古を現在も行っています。

この稽古方法は見た目のインパクトがすさまじいため、
しばしば空手家の中でも驚異的な目で見られることがあります。

「人を打つのは暴力。打たれても痛くないのが空手」という思想があり、
ある意味では、武道の理想形であるとも言えます。

上地流の鍛錬


すげえ・・・・



【日本拳法空手道】

これは、伝統派空手の本部朝基の門下、山田辰郎が編み出した競技です。
フルコンタクト空手以前からある直接打撃制で、キックボクシングの基となりました。
あまり普及してはいませんが、歴史的な意義が高いのでここで取り上げます。

ルールはグローブをつけたノックダウン性で、
日本では、空手の技術にローキックを取り入れた最初の流派だと思われます。

相手に両拳の甲を向ける独特の構えや、
特殊な球形のサンドバックを使用することで知られています。
また、空手の通信教育を、最も普及させたという、面白い経緯があります。

現在の競技者は、ほとんどがキックボクシングで活躍していますが、
独自の鍛錬を行っている人も若干います。

なお、日本拳法と日本拳法空手道は違う競技です。

山田辰雄と本部朝基

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【新空手】

いわゆるグローブ空手です。
日本拳法空手道とは異なり、フルコンタクト空手から派生した流派です。

キックボクシングによく似ていますが、
空手着を着て、ロープの無いマットの上で競技を行います。

試合中に高い蹴りを出さないとポイントにならないという、
少し特殊なルールが特徴になっています。

新空手の道場は、事実上キックのジムと重なり合っています。
新空手の大会で上位の成績を出した人は、
キックのプロを目指す人が多いようです。

新空手の試合




【サバキ系空手】

サバキ系空手は、フルコンタクト空手から派生した空手です。
掴みからの打撃と投げ技を、全面的に認めた組手を採用しています。

サバキ系空手は、極真会館から独立した芦原会館の館長、
芦原英幸が提唱した「サバキ」と呼ばれる技術をベースとした空手です。

このサバキとは、相手の側面や背後に回りながら攻撃する技術で、
ポーランドの軍隊や愛媛県警に採用されていた時期があります。

実戦技術としては評価が高かったものの、サバキ系空手諸派は、
フルコンタクト空手の中では、あまり体格を養わないと言われています。

そのため、近年のサバキ系空手は、ふたたび
フルコンタクト空手やキックボクシングへ回帰する傾向も見られます。

サバキ系空手の円心会館は、米国で「サバキ・チャレンジ」という大会を開いています。

サバキ・チャレンジ




【空道ほか、総合格闘技系空手】

フルコンタクト空手の派生流派の中で、最も先鋭的に実戦を意識した流派が、
この空道と総合格闘技系空手です。
一般的には、大道塾とその分派である和術慧舟會、および禅道会を指します。

大道塾塾長である東孝は、「実践格闘」と「社会体育」の両立をめざして、
この流派を発足しました。

そして、東孝はさまざまな各国の武道と交流を深めて新しい武道を模索し、
自らの武道を、打撃を中心とする「空手」ではなく、
新しい総合格闘技である「空道」であると位置づけました。

一時期は極めて実践的と言われており、人気も高かったのですが
現在は安全性を考慮してプロ競技から離れており、
知名度はあまり高くないようです。

試合ルールは、スーパーセーフと呼ばれる面をつけた直接打撃制ですが、
加えて、投げ技や寝技も限定的に認めています。

また、大道塾の大会である「北斗旗」では、
体格差がある場合、金的攻撃が認められています。
大規模なオープン大会で金的が認められているのは北斗旗だけです。

稽古はかなりハードで、しばしば、フルコンタクト空手より過酷だと言われます。
試合ではスーパーセーフの上からの打撃で効果を与える必要があり、
活躍するためには、優れた身体能力を必要とします。

もっとも普及しているのはロシアで、大学の体育課程に取り入れられ、
競技者は3万人を越えています。日本にも1万人の門下生がいます。





このほか、本部御殿手、拳道会、心道流空手、無門会空手なども、
それぞれ独特の技術、練習法、試合を行っています。

今回取り上げた空手諸派は、伝統派やフルコンタクトの空手と比べると、
必ずしも普及しているとは限りません。習いたくても、近くに道場が無い場合もあります。

比較的近いルールの空手をやっておいて、
機会があればこちらを始めてみる、というのがいいでしょう。
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by neo_logic | 2008-12-08 21:18 | 世界の武術
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