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【世界の武術】 第2回 空手(伝統派)
【伝統派空手とはなにか】

空手は柔道と異なり、多種多様な流派があります。
それぞれの流派で、技術も哲学もまったく異なっています。

しかし、その中でも、伝統派に所属している空手道諸派は、
比較的練習法も試合法も似通っています。

基本的には、突き、蹴りが主力、投げがそれに準じる技術として
構成されています。

競技としての空手は、その技術を集約した「型」の演舞、
打撃技術で相手を倒す「組手」の二つで行うことがほとんどです。

伝統派と呼ばれる流派には、和道流、糸東流、 剛柔流、松濤館流の
四大流派があり、そのほか、それに準じる規模の団体が多く含まれています。

これらの流派は、世界空手道連盟(略称WKF)でお互いの技量を競いあうことができます。
日本の空手であれば、WKFの傘下の全空連に所属している場合が多く、
統一されたルールの元で、競い合っています。

また、各流派ごとの大会もあります。
最大流派である松濤館流は財団法人登録を行っており、
「協会系一本勝負ルール」と呼ばれる、
WKFルールとは異なるルールで大規模な大会を開いています。

日本のほか、ヨーロッパでも人気が高く、
多くの選手が活躍しています。

なお、空手は伝統派ルールの競技以外にもさまざまなルールの競技があるため、
オリンピックには採用されていません。
WKFの世界大会が、実質最高峰となっています。
これに準じるのがアジア大会とヨーロッパ大会です。



【空手の歴史】

ここでは、伝統派を含む、全ての空手の基礎となる歴史をお話します。

空手発祥の地は、沖縄です。

沖縄がまだ琉球と呼ばれていたころ、薩摩藩との約束で、
琉球王家以外の人々は、武器の使用を禁止されていました。

日本の侍たちが横暴な振る舞いをしたとき、
武器をもてない琉球の民衆は、それに対抗するべく、
船のオールや杵、脱穀のこき箸、鎌、竿、
そして素手で戦う技術を生み出したのです。

彼らは中国の武術を海洋民の文化に合わせて変化させ、
さらに薩摩の侍が得意とする示現流剣術を取り入れ、
空手の原型を作りました。それは、中国の武術と言う意味で「唐手」と呼ばれました。

琉球の唐手家は、その拳で屋根瓦を一撃で粉砕し、
鉄の棒で殴られても耐えられるよう、自らを鍛えていったのです。

日本で、この武術が広まったのは大正時代からです。
大正11年(1922年)5月、文部省主催の第一回体育展覧会において、
琉球の富名腰義珍は唐手の演武を行いました。

この時の演武は、柔道の嘉納治五郎など本土の武道家の注目を大いに引き、
一気に有名になりました。

それまで、柔術の、手首を狙う手刀技以外をほとんど知らなかった日本人にとって、
何枚も重ねた瓦や分厚い木材を一撃で粉砕する唐手は、
大きなカルチャーショックだったようです。

さらに同じ頃、関西へ遊びに来ていた琉球王家の三男、本部朝基が、
京都でボクシング対柔道の興行試合に飛び入りで参戦しました。
この朝基は、王家の人間でありながら、唐手の名手でした。

この時、朝基は52歳、相手はロシア海軍所属の、若い大柄なボクサーでした。

朝基は
「爺さん、柔道家じゃないのか。当て技は、平手で打つかグローブをつけろ」
と審判に言われ、
「俺は平手でやるよ」
と答え、のそりとリングに上がりました。

小柄な朝基は、手を高く掲げる平安四段の構えでロシア人ボクサーに対峙し、
観客はこれを見て「まるで盆踊りのようだ」と思ったそうです。

ところが、にらみ合いと軽い打ち合いの直後、
朝基は跳び上がり一閃、強烈な一撃を眉間に命中させ、
ロシア人ボクサーを失神させてしまいました。

この出来事は新聞や雑誌で大いに取り上げられ、
それまで本土では一部の武道家のみに知られていた唐手は、
一躍全国に知られるようになったと言われています。

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本部朝基

1870-1944



後年、この唐手は仏教の「空」の思想を取り入れ、
また、素手で戦う技術という意味を込めて空手と名前を変え、
日本を代表する武道の一つとなったのです。



【競技のルール】

伝統派の競技は、大きく分けて二つあります。
一つは一人で「型」を演じて、その正確さや俊敏さ、気迫などを
総合的に評価するものです。

いまひとつは「組手」です。こちらは一対一で試合を行います。
この組手について、少し詳しく説明しましょう。
ちょっとルールを知らないと、どういう競技かわかりにくいので。

基本的には、伝統派の組み手競技は、
綺麗な空手のフォームで、相手の急所へ一撃を入れたほうが勝ちです。

当て方はいわゆる「寸止め」であり、身体への接触が制限されています。

ただし、この「寸止め」というのは、直前で止めるのではなく、
軽く身体に接触させなければいけません。
そのため「寸止め」というのは正確ではなく、実際は「当て止め」というのが正しいでしょう。

ノックダウンを目的とした意図的な強打は反則ですが、
当てないわけではありません。

握りこぶしで、軽く自分の胸を叩いてみてください。
「ドン」と軽い音が聞こえるくらい。

この程度のコンタクトを綺麗なフォームで当てられれば、
伝統派では「一本」になります。

また、これはあくまでWKF競技のルールであり、
道場の稽古では、ノックダウンできるくらいいい一撃を食らわせたほうが勝ち、
としていることが多いようです。

競技でも、「協会系」の一本勝負ルールでは、
かなりの強打でもポイントになります。

なお、WKFを含む大半の伝統派空手競技では、
足を払って転ばし、上から突いてもいいとされています。
そのため、足払いは突き蹴りと並んで、伝統派空手の重要なテクニックとなっています。

これが伝統派の試合だ。





【伝統派空手の技術と選手 -全格闘技最速!-】

伝統派空手の特徴は、とにかく速さを鍛えることにあります。

ボクシングやキックボクシングとは異なり、
連打でノックアウトするのが目的ではないため、顔面をガードしたりはしません。
とにかく一撃を俊敏に当てることが重要になります。

この飛び込みの速度は、フェンシングと剣道を超えて、
全武道最速と言われています。

また、「乗りと乗せ」と言って、相手の動きを、自分に有利に働くように
誘導させる身体操作の技術も大きな特徴です。

組み手の技術に関しては、西村先生の動きが最高です。


ニコニコ動画見られる人はこちらもどうぞ。
【ニコニコ動画】空手 西村誠司先生 セミナー ハイライト

伝統派では最も過激と言われる、協会系の試合はこちらをどうぞ。


いたそー。

また、型については、ミカエル・ミロン選手がすばらしいです。


ニコニコではアジア大会ほか、世界の大会で活躍している諸岡選手の型がみられます。
【ニコニコ動画】空手 形 チャタンヤラクーシャンクー (諸岡奈緒)

伝統派空手の欠点として、蹴り技の問題があります。

ダメージの蓄積を前提としない伝統派空手は、
一発の蹴りを当てることに注力し、また、蹴りをすばやく引いて、
次の攻撃に備える必要があります。

そのため、腰を引いた状態の前蹴りが主戦力となる場合が多いのです。
この蹴りはたしかに速いのですが、威力が出ません。

キックボクシングやフルコンタクト空手などと比べると、
あまり効果的な技術ではないと言えるでしょう。

ただ一つ、内回し蹴り(カケ蹴り、裏回し蹴りとも言う)は例外で、
この技術は、伝統派空手のほうが、他の競技よりも優れています。

一方、素手で顔を殴ることが許可されている競技は、
全ての格闘技の中でも、伝統派空手以外にはほとんどありません。

そして、この技術に関しては、伝統派空手は群を抜いています。
「最速の上段突き」を活かしてボクシングに転向し、
大きな成果を出している伝統派空手家もいます。

伝統派空手は、駆け引き、突き技、足払いに特化した打撃格闘技と言えるでしょう。



【伝統派空手を習いたい】

学校や会社の部活・サークルで、空手部があるところは限定されています。
大きな大学ならたいていありますが、大学生でない場合、
基本的には、町の道場を探すのがいいでしょう。

電話帳を開いて調べてみると、かなりあります。
比較的小さな市町村でも、一つくらいは見つかるでしょう。

市民体育館で指導している人や、ダンスホールなどを借りて
道場としている人も結構います。
必要なものは、空手着のほかに、防具がいることがあります。
拳や足を保護するサポーターと、顔につける面(メンホーという)などです。

あと、指導者がちゃんとしていないと、怪我の可能性が結構たかいです。
軽く当てるというのがルールですが、
実際には伝統派空手は「軽く当てる」というより「軽く当てるはず」の空手となっています。

そして、軽く当てるはずの打撃が強く当たってしまうことがある。
技術的にも防御を前提としていないし、あまり受身も練習しないので、
強く当たってしまうと脳震盪を起こしたり、倒れて床に頭を打ったりします。

ハードな競技なので、そういうのが好きな人ならいいのですが、
そうで無い場合は、指導者が怪我に配慮しているか、見学のときに見ておきましょう。
ちゃんとした先生に指導を受ければ、安全に実力をつけることができるでしょう。



【伝統派空手で戦う。伝統派空手と戦う】

ここからは個人的な意見です。

伝統派空手は決闘や喧嘩で、どのように戦うでしょうか?
今回も、以下のような架空の人間を想定します。

・男性
・25歳
・身長170センチメートル
・体重70キロ。
・コンディション良好。
・既往症なし。
・喧嘩や決闘を前提として行動できる思考を持っている。
・精神状態は平静で安定している。

一人は伝統派空手経験十年のA。段位は二段。流派の地方大会で入賞している。
一人は柔道経験十年のB。段位は二段。市民大会で入賞している。
一人は武道経験の無いC。スポーツの経験は豊富で、ケンカが得意。

この3人が、街の中で勝負することになったとします。

まず、AとBが戦う場合。

かつては「柔道よりも空手のほうが速いから強い」
という通説がありました。

しかし実際には一発、二発当てただけで、人間はそう簡単に崩れません。
特に、Bが「顔にパンチを食らっても決して下がらず、とにかくつかんで投げる」
という覚悟が決まっていると厄介です。

この場合、Aは競技とは違う戦法で、ヒット&アウェイを繰り返すのがいいでしょう。
重心が安定しているBに足払いをかけるのは難しいでしょうから、
ひたすら顔を狙って突きを当て、倒れるまで繰り返すのが効果的だと思われます。

また、Cと戦う場合、Aは、自分の技術の限定性を理解する必要があります。
ケンカが得意なCは、額でパンチを受け、つかんで殴るなど、
空手では反則となる打撃を使うかもしれません。
また、膝頭を蹴ったり、胸ぐらをつかんだ頭突き、膝蹴りなどを使うかもしれません。

Aはやはり、ヒット&アウェイを繰り返すのがいいでしょう。
Cが顎をがっちり引いて両手でガードをしている場合、
喉や胸の中央の骨を狙ったほうが効果的かもしれません。

また、足払いがかかる可能性はかなり高そうです。
足払いと突きの繰り返しで、Aが勝てる確率はぐっと上がるでしょう。

相手がBにしろCにしろ、Aは組み付かれないよう注意する必要があります。
組まれたら、とにかく顎を狙って繰り返し殴るしかないでしょう。

また、名前から考えるとちょっと逆説的ですが、
伝統派空手の速度は、武器に活かせます。

なにしろ伝統派は素早さを鍛えるので、刃物でも持てば圧倒的に有利です。
A,B,Cの全員が刃物を持っていた場合、まず間違いなくAの圧勝と思われます。

余談ですが、各国の軍隊は、ナイフ・ファイティングの基本として
フェンシングを応用した技術を学びます。

しかしフェンシングは、あたりさえすればいい、という競技です。
体の中央めがけて一瞬で飛び込む伝統派に比べて、殺傷効果が薄そうです。

戦場で相手を殺すことが目的である場合は、
ナイフを使った戦いには、伝統派空手を取り入れるといいかもしれません。



【おまけ】
2007年モントリオール映画祭に出品された「黒帯」は、
主演の二人が伝統派空手の大家という、珍しい映画です。

興味のある人は見てみてください。





【次回予告】
次回は、空手(フルコンタクト空手)を取り上げます。



【注記】
この記事は、喧嘩や決闘を奨励するものではありません。
また、武道をやることで、強くなることを保障するものでもありません。
暴力行為の結果は、状況や体調やその他の偶然によって、大きく変化します。
そして当然ですが、実際の暴力行為は法によって厳しく罰されます。

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by neo_logic | 2008-11-30 00:01 | 世界の武術
【世界の武術】 第1回 柔道
【柔道とはなにか】

柔道とは、畳の上で柔道着を着て、一対一の対戦を行う武道です。

競技としての柔道は、つかんで、投げて、相手の背中が、
勢いよく畳についたら勝ちです。
また、寝技で締め、間接技を用いて、相手が降参しても勝ちになります。

ですが、柔道は単に勝ち負けを争う競技ではありません。
型稽古を通じた一人稽古もありますし、
対人の稽古でも、勝敗だけではなく、それを通じて心身練磨を行うこと、
むしろ、そのことこそが重要である、とされています。

日本国内の競技人口は20万人。
最も盛んな国はフランスで、競技人口が60万人です
(フランスの総人口は7000万人程度)。

また、キューバ、北朝鮮、韓国などでも盛んになっています。
大陸別に見ると、最も競技人口が多いのは実はアジアではなく、
ヨーロッパだったりします。

きわめて母数の多い武道であり、太極拳を除けば、
おそらく最多の経験者を持つ武道だと考えられます。

柔道の試合

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【柔道の歴史】

柔道が日本に生まれる前から、日本には徒手で行う武術がありました。
それが、古流柔術諸派(以下、柔術)です。

柔術とは、武士が刀を落としたときに素手で戦う技術として
考案されたものでした。

ですが、明治になって、刀を持ち歩くことが禁止されてから、
柔術は徐々に時代遅れとみなす動きが出てきたのです。

柔術に組み込まれていた、鎧を着てやる組討の手段や、
相手の手首を狙う当て身(相手の刀を落とすため)は、
もはや誰にも必要なくなってしまったのです。

そのころ、天神真楊流と起倒流を習っていた、
東京大学文学部にいた嘉納治五郎は、
「人を投げる」というのには、どういう理屈があるのだろう?
と、経験主義から合理主義へ、柔術を進化させることを考えていました。

加納治五郎(1860~1938年)

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その結果、嘉納は当身や鎧稽古を大胆に排除し、
崩しの理論などを確立して独自の「柔道」を作り、講道館を設立しました。

さらに嘉納は、囲碁や将棋から「段位」を取り入れ、
他流で言う「目録」相当の実力者に「黒帯」を与える事を考案しました。

柔道はその後、警察が行うべき武術として何を採用するか、を決める、
警視庁武術大会で、楊心流戸塚派と試合しました。

結果は2〜3の引き分け以外柔道の勝利。
これ以降、講道館柔道の実力が大きく認められるようになったのです。



【柔道の技術】

柔道の技術は、つかむ、崩す、投げる、という三点に集約されます。
相手の襟と袖を「つかみ」、
前後左右斜めの八方いずれかに、相手の姿勢を「崩し」、
不安定になった軸を払うか、もしくはそのまま浮かして「投げ」ます。

見事、投げ技が綺麗に決まったら、競技では「一本」となり、
即試合の勝敗が決定します。

単発では相手も抵抗しますが、連続技の中で、
相手の抵抗直後や、気力を欠いた瞬間を狙って技を仕掛けることで、
時には自分よりも大きな相手すら投げることが可能になります。

柔道においては、体力や気力もまた、技術と同様に重要な要素であり、
これが「柔よく剛を制す、剛よく柔を断つ」という言葉にこめられています。

なお、国際柔道の場合は、一本をとるよりも、それに準じる判定である、
「技あり」や「有効」、「効果」のポイントをとる事を優先する場合もあります。

特に、レスリングのようなポイント制になじみがあるヨーロッパの選手は、
こういった戦術を取ることが多いようです。

柔道は競技化する上で判定方式を取り入れたので、
国際柔道はそれを推し進めていったとも考えられます。

しかし、戦闘を目的として生み出された柔道が、
軽く転んだくらいで勝てるというのは思想に反するという考えもあり、
近年は再度、「一本」を重視するようにルールが変化しています。

柔道の投げ技である、「内股」の動画です。


なお、柔道には寝技もありますが、膠着状態になると、
すぐに「待て」がかかるため、
現在はほとんど寝技の決着を見ることは少なくなりました。

このため、柔道の寝技技術は、レスリング、サンボ、近代柔術などの
他の組技系格闘競技に比べて、大きく遅れています。



【柔道の練習】

柔道はメニューが細かく体系だてられており、
準備体操にも独特の練習法があります。

たとえば、寝技で組み伏せられた状態から脱出するため、
横を向いて寝た状態から、肩と足で勢いよく体を移動させる「エビ」などが
有名です。

また、柔道は練習の最初で、受身を練習することが大きな特徴となっています。
この受身の練習は、護身というか、いろいろな意味で覚えておけば得です。

余談ですが、私の知人の柔道家には、トラックに跳ねられたとき、
受身を取って見事無事だったという人がいます。

その後、打ち込みといって、二人一組になり、
投げるための技術を繰り返し、崩し方や返し方を、
体に覚えさせていきます。

学校で柔道を習った場合は、これをあまり繰り返しませんが、
道場や部活の柔道では、打ち込みをかなり長い時間行います。

打ち込みが終わると、乱捕りに入ります。
これは二人が自由に技を掛け合う、試合形式の練習法です。

場所によりますが、1回4分程度を4本行うくらいが、
一般的な稽古のようです。

他のスポーツにくらべると、4分というのはあまり長く無いように
思うかもしれませんが、これは相当な運動量になります。

たとえば、バスケやサッカーの試合で、4分間のスタンドプレーなど
あり得るでしょうか? あっという間に息が上がってしまいます。
本格的に柔道をやると、すさまじい体力を消耗します。



【柔道を習いたい】

日本であれば、たいていの市民体育館で柔道の教室があります。
また、中学、高校、大学に部活として用意されている場合もあります。
個人の道場も、近年は減りましたが、
他の武術よりはかなり多いほうです。

柔道着はどこでも買えますし、通販もあります。
柔道着と白帯を買ったら、近くの道場に行ってみましょう。
どこでも、丁寧に対応してくれます。

ただ、一時期(90年代)には女子柔道が非常に盛んでしたが、
近年では女子は減少傾向にあります。

女性の場合は、できれば女性がいる道場に行くのがいいでしょう。
組み合ったりつかみ合ったりする競技ですので、
最初は男性と練習することに抵抗感があるかもしれません。



【柔道の有名選手】

ものすごくたくさんいます。
しかし、ここでは1992年バルセロナオリンピック柔道男子71kg級金メダリスト、
「平成の三四郎」の異名を持つ、古賀七段を取り上げます。

常に一本を取りに行く柔道を体現しており、
小柄な体からの切れ味鋭い技の数々、豪快な一本背負投が得意技です。

まあ、堕論無用ですね。以下の動画をどうぞ。


古賀選手は、バルセロナオリンピックでは選手団主将を務めました。
バルセロナオリンピック直前に吉田秀彦との乱取り中、左膝に大怪我を負いましたが、
痛み止めを打ちながら見事金メダルを獲得しています。

さらに、1995年の世界選手権では、全試合一本勝ちという
歴史に残る偉業を達成しています。



【柔道で戦う・柔道と戦う】

ここからは個人的な意見です。

柔道家は決闘や喧嘩で、どのように戦うでしょうか?
ここでは、以下のような二人の架空の人間を仮定します。

・男性
・25歳
・身長170センチメートル
・体重70キロ。
・コンディション良好。
・既往症なし。
・喧嘩や決闘を前提として行動できる思考を持っている。
・精神状態は平静で安定している。

一人は柔道暦十年のA。段位は二段。市民大会で入賞している。
もう一人は日ごろ週に2回程度、筋力トレーニングをしているB。
Bには格闘技の経験はないが、テレビや学校で、柔道についての知識はある。
また、格闘技の試合を観戦したことがある。

この二人が、街の中で勝負することになったとします。

Bが刃物を持っている場合、Aはどう戦うか。

これは、昔の漫画や小説では「柔道では組み合っている間に刺されてしまう」
という通説がありました。

しかし、実際には一対一で向かい合った状態から始まると、
格闘技の経験が無いBは、つかまるなり投げ飛ばされてしまうでしょう。

柔道が遅いというのは迷信で、瞬発力を鍛える競技なので、
一般のスポーツ選手と同じ程度には速いのが普通です。
丸い体格の人が多いので、遅いイメージがついたのでしょう。

逆に距離が離れている場合、捕まえることは難しいかもしれません。
Bが勝つには、まず離れた状態で対峙し、
後ろに下がりながら、Aの手首を狙って斬りつける方法がよさそうです。

ただ、それでもナイフや包丁程度では、なかなか倒すのは難しそうです。
Bに日本刀や青龍刀でもあれば別ですが、そんな物を持てるなら、
Aだって持っているでしょう。その場合は互角です。

Bが素手であれば、どうでしょうか。
どういう服を着ているかが大きな要素になります。
タンクトップや破れやすい服だと、投げきることができない可能性があります。

しかし、一本背負いなどは、柔道の技術を少し応用しただけで使えます。
また、柔道着の代わりに皮膚をつかんで投げるという荒業もできます。

Bの体脂肪率が少なく、上半身が裸だとさすがに難しいかもしれませんが、
基本的にどういう格好であっても、柔道を相手にして「なんだ、柔道か」
と甘くみることはできないでしょう。
かなりの高確率で、Aが勝つのは間違いありません。

また、Aの戦術として、周囲に壁があれば、それに叩きつけるという方法があります。
叩きつけるほうが、投げ落とすよりも簡単です。

さらに投げるときに、競技では受身を取るように背中から投げますが、
Aに本気で殺意があれば、頭から落とすでしょう。

Aにこのような発想がある場合、柔道はきわめて強力な武器になるでしょう。



【次回予告】
次回は、空手(全空連)を取り上げます。



【注記】
この記事は、喧嘩や決闘を奨励するものではありません。
また、武道をやることで、強くなることを保障するものでもありません。
暴力行為の結果は、運や体調やその他の偶然によって、大きく変化します。
そして当然ですが、実際の暴力行為は法によって厳しく罰されます。

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by neo_logic | 2008-11-20 22:51 | 世界の武術
【世界の武術】はじめに
本職も会社もえれー忙しいのに、またも変なこと始めようとしています。

これから飽きるまで、世界の武術について書いていこうと思います。

方針:
1.武道・武術・武芸の一流、一派を取り上げて、
  歴史や技術、有名選手、練習方法、現在ある道場について説明する。
2.事実と私見は明確に区別する。強弱論争はしない。
3.どういう場面に向いているかを考察する。

扱ってほしいテーマなんかがあればご意見をどうぞ。
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by neo_logic | 2008-11-11 23:13 | 世界の武術
【映画評】 黒帯 KURO-OBI (2007年/日/90分)
モントリオール映画祭に出品された、空手をテーマにした作品。
昭和の始めころ、空手を学んでいた二人の男の話。

師匠が死に、黒帯を継ぐのは誰になるか。候補は二人。

一人は師の教え「空手に先手なし」を破り、憲兵隊へ空手を教えて出世していくが、
一人は師の教えを守り、それが原因で大怪我をした上、イカサマ賭博に巻き込まれる。

この対照的な、二人の武道家を描いた作品である。

さて。

実は空手がテーマの映画ってすごく珍しくて、
特に武道としての空手を描いた最高傑作なんて、
ベスト・キッドくらいしかないというのが実情だったりする。

その点、本作では、空手の精神性を中心に描かれていて、
しかも、主演の二人が現役の空手家(しかも相当の大家)で、
本当の空手を見ることができる。

殴られる前に避けるとか、そういうのが無い。
技術も最高峰のものが見られる。なにより速い。

ハイキックよりも中段突きのほうが、はるかに格好いいという、
きわめて珍しいタイプのアクション映画である。

しかし、空手家に対する最大のリスペクトと対照的に、
空手に対するリスペクトがほとんど払われていない。

舞台はどこなのかわからんし、政治的な背景も最初にちょこっと出てくるだけ。
空手の歴史は政治・軍事・地方文化などと密接に関わっているはすなのだが、
実在の有名人は一人も出てこない。一種のファンタジーとなっている。

唯一のリアルさを出しているのが、憲兵隊が空手を採用するというところなのだが、
そんな史実があったとは思えないし、あったとしても、大学か武徳会経由だと思う。
というわけで、この作品、傑作とはいいがたい。あくまでB級。

「空手やアクションはどうでもいい。真の空手家が見たい」
という人にはお勧め。

あ、私個人の評価? 
そんなもん、八木館長と中師範が出てくるだけで、十分に決まってますがな。

【評価】
監督:味がある。
演出:上々。
脚本:わかりやすい話だが、取材は足りない。
空手:これを超えた作品は無いですね。

得点:75点くらい?(八木館長と中師範は100点ですが)

DVD買いましたが、メイキングが本編より数段面白いです。
殺陣師と主演の対談とかがリアルすぎる。

youtubeのリンク(予告編。本編も一部はyoutubeで見られます。)

http://jp.youtube.com/watch?v=v9-vI4HxRmI

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by neo_logic | 2008-11-02 14:13 | メディア評