セキュリティ系エンジニア。IT技術について書いているふりをしています。
by neo_logic
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【DVD評】 イブ仮説 2002年アメリカ/ 90分/ カラー
アメリカで放送された教育番組、ディスカバリーシリーズのうち、
日本販売されているものの一つ。日本での代理店は角川書店。

遺伝子と考古学の融合により、新たにわかった人類全ての母、
「イヴ」の子孫たちがどのように世界へ拡散していったのかを
ドラマチックに描いている。

こういう教育系のビデオって、遺伝子や考古学に関する理論の
込み入った説明や論文紹介が無いから一見面白く見えるんだけど、
なんでそんなことがわかったんだかさっぱりわからんのだよな。

と思うのはやはり見方を間違えてるんだろうか。
まあ反論や反駁がこのビデオだけ見てできなくてもいいのはわかるが。

少なくとも単一起源説というのが単なる妄言ではないことはわかった。
もっと漠然とした仮説かと思っていたから、感想としては面白かった。
あと英語の勉強になった。
教育番組はゆっくり明晰に発音してくれるのがありがたい。

そういえばこれってキリスト教やユダヤ教的なイデオロギーの影響って
本当にあるんだろうか。いまいちこの話をノアの箱舟と比べてもしょうがない
気がする。これはもっとちゃんとした論争だ。

パラサイト・イヴなんかはこれを題材にしているものの、
フィクションのテーマとしてはちとまっとうすぎるな。
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# by neo_logic | 2006-09-20 05:59 | メディア評
【映画評】 時をかける少女 2006年日本/ 99分/ カラー
子供のころに見たかった映画。
出来はいいです。誰が見ても面白いと思う。

総評 80/100点
ストーリー   合格点
キャラクター  合格点
コンテ     及第点
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# by neo_logic | 2006-08-21 23:16 | メディア評
【書評】 駿河城御前試合  南條範夫 徳間書店(2005)
よーやく手に入ったので一気に読了。
一日で小説一冊読めたのは久々だ。

駿河城のいかれた殿様が、
太平でつまんねーから真剣勝負やらせようぜ、
というイベントに集まった10組20人の剣士たちは、
いずれも「なんつーか、こう、もうちょっとさあ・・・」
という奴らだったという話。
巷説、寛永の御前試合は、この話が元ネタだったという設定です。

時代小説じゃないです。これ。
SM小説。それ以外のなにものでもありません。
しかもエロはほとんど無し。グロ。ひたすらグロ。
刃物と血と脳漿と臓物が飛び交います。

昔団鬼六の切腹するだけの短編を読んだことが
ありますが、あれは読者をびっくりさせようとしてグロく書いただけ。
あー、気持ち悪がってほしいのね。はいはい。
みたいな気分になるだけでした。

こっちは違います。
真剣で本気。武士道に殉じた生き方をしてるのに、
なぜか幸運に見放された哀しい剣士たちの物語。
はたから見てると大爆笑なんだけどな。

なぜ女をめぐって戦ってるのに、
そのうち女がどうでもよくなって戦うことしか考えなくなるんだ。
いや、往々にして男というのはそういうものだという気もするが。

Kー1や空手を見て、乱暴だとか野蛮とか思う人って
こういう風に見えてるのかもなーと思いました。

しかしなぜスプラッタって笑いが止まらないんだろう。

【評価】
総評 85/100点 (奇作)
残虐度 合格点
悲哀度 及第点
常識度 落第点
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# by neo_logic | 2006-07-22 16:21 | メディア評
【書評】 デス・ノート  大場つぐみ 小畑健 集英社(2006(最終巻))
見事である。
これほど完成されたコミックを見たことはないし、
今後、類似した作品がいくら出てこようとも、
この作品を超えることは至難の業だと思う。

私はロジックで勝負する作品はすこぶる苦手である。
細かく考えるのが苦手だからだ。

だから、ミステリの類はまず全部推理せずに読む。
そして、その後、面白ければ何度か読み返して考えて、
そして結論を出す。

したがって、「そんなもん読者に解けるわけねえだろ!」
と、読みながら思うということは無い。
むしろ、作者がどういう意図を持って作品をつくり、
どうやって結論付けたか、というところに視点を置く。

そしていろいろ諸般の事情を総合的に考慮し、
1.限度をはるかに超えた常識の逸脱がない。
2.作中で作ったルールを守っている。
3.緊張感やカタルシス、ドラマがある。

あたりが守られていれば傑作扱いする。
まずここは守られていた。

もちろん、デス・ノートは非常識な前提があり、
登場人物が異様に心理的な解釈に長けすぎていて、
作中のルールはしばしば破られ、中だるみもある。

しかし、少なくとも自分にとっては、許容できた。
むしろ、私の想像を大幅に超えて達成された。
だから、少なくともこの作品は私にとっては傑作である。

そして、追加点がある。
これがジャンプ・コミックスという
媒体によって提供されたということである。

コミックは、映画や小説よりも高い要求がなされることがある。
ましてや週間連載はそれに拍車がかかる。
完成度が高いというだけではダメだ。
ひきつける画力やコマ割を持ち、次号への期待を抱かせる必要もある。
デス・ノートは、それも乗り切った。

さらにジャンプ・コミックスの特徴は「努力・友情・勝利」という点にある。
そしてもう一点、どんなにつまらなくなっても売り上げが続く限り続ける、
という点もある。
デス・ノートは、破格ではあるものの、この特徴には該当している。
該当しつつも、作品の質を致命的に落とすことなく乗り切った。

すさまじい作者の根性である。

ごく個人的には、デス・ノートの前提となる超能力的な設定は
あまり好きではない。
登場人物の哲学や作者のメッセージに対しても、
それほど共感する点があるわけでもない。

デス・ノートを評価するのは、短所を抱きつつも、致命的な失点を防ぎ、
長所を引き出せる限り引き出したという、総合点の高さがあるからである。
一つの作品が世に出るまでの多々ある関門を乗り切り、
加えて絵やドラマ、ロジックも高い水準を維持したという、
あれこれある諸要素を抱えながら前に踏み込んだという成果を
出したからである。

「たった一つでも決定打となる長所があれば、
他の短所なんて全部目をつぶってもいい」

というのが、私の作品へのスタンスである。
デス・ノートは

「決定打となる長所があり、しかも短所がそれほどない」
という作品である。

だから、私の及第点をはるかに超えている。

十分に自分が楽しめて、他人にも自信を持って薦められる作品である。
満点と言い切れないのは、これは単純に「個人の超人性なんて限界がある」
という、大人びた常識の足かせを引きずっているだけに過ぎない。
作品としての欠点ではないと思う。

多くの読者がやっている細かい点についての議論には私は参加しない。
参加できるほど私の頭が良くないからである。

【評価】
総評 95/100点 (傑作)
主題   合格点
設定   合格点
美術    合格点
構成   合格点
大衆性  合格点
個性   合格点
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# by neo_logic | 2006-07-17 15:25 | メディア評
ダ・ヴィンチ・コード 2006年/米/140分
今回は小説を読んだと言う前提で書きます。

メディア移植の中で、最も頻繁で、最も非難が多いのは
やはり小説から映画にするときだろう。

小説のほうがたいていロジックが緻密だが動きに乏しく、
映画は大味だが視覚聴覚に訴えてくるようになる。
成功のコツは、それぞれのメディア向きの要素を抽出することだ。

ダ・ヴィンチ・コードは、作り手がすごくがんばった。
小説にかなり迫る面白さだった。
だが、やはり元ネタが複雑であるがゆえに、
映画だけ見てもなかなか完全に理解できる人は少ないだろう。

「よくここまでやったなあ」という賛辞と
「うーむ、まだまだここまでかあ」という残念さが
両方入り混じるつくりだった。

良点はやはり美術である。
ダヴィンチの作品にせよ教会にせよキャラクターにせよ、
見せりゃ一発だ。
「ヨーロッパってなんて美しいんだろう」
「狂信者ってなんて醜いんだろう」
ここを見せる上では、完全な成功だ。

一方で
「うわ、そんなに間単に暗号解読されちゃうの?」
「えー、そこでぶん殴って解決なの?」

みたいな要素も多かった。
小説だとすっ飛ばせるところが妙にクローズアップされたり、
逆に重要なところがすっ飛ばされてしまっていたり、
やはり難しかったんだろーなー、とも思わずにはいられない。
まあ露骨につっこむと野暮ったいがそれでも気にはなる。

両者を加味して、もう一つ評価できるのは
徹底して地味なつくりにしたことだ。
大人向けの渋い作品である。

見かたを間違わなければ、見る価値は結構あると思う。
「キリストにも、恐らく水の上は歩けないだろう。
けれども影響力があり、多くの命を救っただろう」
これを言えてればいいのだ。

あーあと、俺やっぱりトムハンクス嫌い。
こいつ絶対に偽善者だ。

【評価】
総評 70/100点 (良作)
美術・音楽・演出 合格点
役者         及第点
ロジック       落第点
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# by neo_logic | 2006-05-21 21:59 | メディア評